峡南森林組合をいきいき村村長が行く。(笑
スタッフ3人で木材流通の現場を見学させてもらってきました。
先日の山村再生セミナーのテーマの一端である森林活用。
森林について、特に里山について意見をお持ちの方は多いことと思います。
現状問題となっていること、そして望ましい形と言われるもの、
これらも今ではかなり具体的に言われてきているかと思います。
里山に人が入らなくなり山が荒れ、動物たちが人里に下りてきて畑などを荒らす。
林業に関わる山師の高齢化、後継者不足。
外国産材の輸入増加、需要増加に伴う、国産材の減少、などなど。
まだ里山が生きていたころ、
農家の冬の仕事は山仕事であり、
大工は山から材を切り出すところから始まりました。
家庭には囲炉裏があり竈(かまど)があり、
家は木と竹と萱(かや)と土で出来ていました。
そのころ使われていた木材は、
家の土台にヒバ、柱に杉、梁に松、造作はクリやナラ、ヒノキなど。
燃す木はクヌギ、ナラ、果樹の剪定枝などなど・・・。
つまり昔は針葉樹も広葉樹も幅広く使われていました。
また同様に山にはそれらの木が植わっていたと言うことです。
さて、
今の山はどうなのでしょうか?
峡南森林組合には2,000を越える組合員(森林所有者)が登録しています。
これらの森から木を切り出し製材、
またその下段階としての間伐、枝打ち。
そして森の管理としての間伐作業など。
実際、
今この製材所で取り扱っているのは杉とヒノキのみ。
柱材、土台材、梁材、板材がありました。
しかしすべて杉かヒノキなのです。
つまりそれは同時に山にも杉とヒノキしかないと言うことです。
なぜ杉とヒノキしかないのか?
簡単です、杉とヒノキしか売れないからです。
針葉樹である杉とヒノキは戦後需要があると言う理由で
多くの休耕地に植えられました。
しかし今ではその需要もかなり減少し、
植えられた杉、ヒノキは放置され立ち枯れや伸び放題の枝によって荒れています。
荒れた山は人が足を踏み入れることすら難しく、
広葉樹の木の実を求めてやってくる動物たちも入りません。
広葉樹のない山に動物たちが望む食べ物はなく、
彼らは食べ物を求めて山を下りてくるのです。
動物たちは空腹でイラつき、襲うはずのない人間を襲います。
まさに生きるために必死で食べ物を求めて山を下りてくるのです。
石油を燃やし、ガスを燃やし、電気で調理をするようになった人間にとって、
山は遠い過去となりました。
消費をやめ、人知れず荒れ果てた山のことなど遠く忘れて。
今薪ストーブブームが来ています。
それに加えてペレットストーブも注目を集めているようです。
しかしこれらの多くのユーザーは自分たちで燃料を加工しません。
薪に関してはその加工も含めて楽しんでいらっしゃる方を見かけますが、
ペレットに関しては自分たちで加工が出来ません。
その加工のためには機械を必要とし、また石油、ガス、電気に頼った燃料を必要としています。
それは森を知らず現代の燃料に頼っている現状と何も変わらないのではと感じさせます。
山の実情を知らず、便利と快適だけを追ってきた現代人と何が違うでしょうか。
これは私、
サポーターSの個人意見。
まず森に足を踏み入れよう。
枝を拾うでも良い、枯葉を集めてみるでもよいと思います。
さらには枯れ木に刃を入れ、自ら加工してみてください。
木を燃す機会はどんどん失われていますが、
ぜひ機会を見つけて木を焚きつける経験をしてみてください。
木が生む火を体験することは、
人間の根源の楽しみだとわかるはずです。
自ら木を切り出し、加工し、燃料として火を燃やす。
昔に戻る必要はありません。
石油もガスも電気もやめる必要はありません。
今の生活+木が生む火の楽しみがある、
それはまったく新しい生活となるでしょう。
火を使う楽しさは、キャンプなどで知ってる人は多いはずですね。
その楽しみをぜひ家庭の中にも取り込みましょう。
それが実は山を回復させ(人が山に入る)、
動物たちに食べ物を与え(広葉樹が増える)、
畑に平和を導き(動物たちは山を下りてこない)、
家庭に楽しさをプラスさせてくれるはずです。